ストーリーライターズ・ナイトとは? 出演者紹介 イベント・レポート アンケート
ストーリーライターズ・ナイトとは?
LOFT PROJECTが発行する、音楽フリーペーパー Rooftop9月号
LOFT/PLUSE ONE SELECT INTERVIEWからの転載
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脚本はどうやってできているのかを、一緒に話して学んでいきたいというイベントが9/7に開催される。主催は放送作家・作詞業からライター、テクノレーベル主宰と様々な分野で活躍している佐藤大氏。「教える」のではなく、「一緒に学びたい」というイベントはどういったものか、イベント前に伺ってみた。(text:斉藤友里子)
「ストリーライターズ・ナイト」を行うきっかけ
--- 今回のイベントは「ストーリーライターズナイト」。脚本家がどういった形でシナリオを構築していくのかを、制作の課程や、日々の生活を織り交ぜながら話していくというトークライブですが、なぜこのイベントを行おうと思ったんですか?

最近、仕事の現場や専門学校の授業で、若い人たちと話しをする機会が増えたんです。僕の今の仕事はアニメーションのシナリオが多いんですが、そのアニメ現場で自分と一回りくらい違う若い人たちと話をした時に、よく感じることがあったんです。

システム・構造をふまえるためにチームで動く
それはつまり、物作りの技術論みたいな部分をはしょってしまう人が多いんだなぁと。もともと自分自身にもそういう部分があったんですが、S.A.C.(攻殻機動隊テレビシリーズ『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』)で学んだことが大きかった。それは全員若いスタッフで、そのチームでやった経験が物語を作る上で非常に勉強になったんです。
例えば、俯瞰でものをみることなんかを学びました。そのスタイルやシステムは神山さん(監督:神山健治)たちと一緒に作ったことなんですけど、割とアニメ業界内では珍しいものだったようなんです。あと僕が好きな海外のドラマの脚本の作り方もそれに近かったと知ったんです。最近だと『LOST』、『Six Feet Under』とか『HOMICIDE-殺人捜査課』。ああいうドラマを作っているスタッフと、去年アメリカで話しができたんですが、僕らが期せずして神山さんとやっていたスタイルが、そのスタッフたちがやっていることと非常に近かった。
自分がいいと思っている脚本のスタイルはそのシステムからできているのがわかったんです。でも、このシステムは意外とあまり使われていない。このいい手法を人に伝えることができないものかと思っていたんですが、ちょうどその頃に自分の会社(フロッグネーション)で脚本家のチーム的なものを作って、そのシステムの話なんかをしていたんですが、それをもう少しオフィシャルな形で話せると、脚本家を目指している人に役立つのかもなぁ、と。反面教師でもいいし、自分のスタイルを作る時の判断材料でもいいし。

--- 何か参考になるものとしてのトークライブということでしょうか。

そういうふうになったらいいなぁと。最近、黒澤明さんに関する本が何冊か出ていて、『トラ!トラ!トラ!』の舞台裏の話や、脚本家の人の裏話とか。「どうして黒澤組の脚本はよかったのか?」ということとかそこにあるんですけど、それも含めて我至りな気分になって。

--- 個人プレーではなく、チーム全体でストーリーを構築していく作業に関して、それはかなり有効な手法だと。

そうですね。あと、イベントの契機で言うと、アニメの脚本ってあまり日の目をみることがなかったと思うんですよ。でも最近、脚本家でアニメをみてくれる人も増えてきたりもして。あと自分と同世代の脚本家の人たちと横のつながりもできたらなぁと。それはまず話からって思ったりして。その時にいい機会をもらったというか。ロフトプラスワンがあったという。

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